園長のひとりごと

発達の連鎖
2025-02-04
子どもたちの未来へと続く興味と好奇心の鎖を切ってはいけません。発達の連鎖を止めてはなりません。人間はそれぞれの年齢、発達段階において興味、好奇心の対象が大きく異なります。それは乳幼児期に於いても同様です。子どもたちは生まれた時から、発達過程に沿った興味、好奇心を持ち、そして体験しながら成長していきます。決してある年齢において突然の興味、好奇心が生まれて急成長するのではありません。幼き日の「見る・聞く・動く・触る・感じる」が成長とともに形を変えて未来まで繋がっていくのです。これが本来あるべき、発達、進化の道筋です。我々大人の役割は、この連鎖にブレーキをかけないように配慮し、その時々に必要な環境を整えることです。これはあくまで環境を整えるという助力であり、決して子どもたちを未熟な存在として、何事に於いても教授することではありません。またそれらを試みても大きな成果はありません。なぜなら就学前の6年間は想像を超える数の発達が、目を見張る速度で展開される人知を越えた期間だからです。結論「この発達に対応できるのは発達している当事者だけであり、リアルタイムでその発達に必要なものを示してもらう。大人は、その選択、行動を見極めた上で、意志を尊重し、動くことを保障し、環境を整える」この環境構築こそが発達の連鎖を強く保持し、未来へと続く無限の可能性を生み出すのです。今しかできない感動を今子どもたちから敏感に感じ取り、柔軟な思考で柔軟な環境を子どもたちにご用意頂ければこれに勝る幸いはありません。
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甘やかす
2024-12-02
 令和の世、一人っ子世帯の割合が急増しているようです。一人っ子と云えば私が子どもの頃、昭和の世では35人クラスに1~2人くらい?で、今風に云えばレアな存在だったというのが記憶の片隅に残っています。又、一人っ子=「親に甘やかされて育つ」というイメージを常に背負っていたようにも思います。ご想像の通り私も一人っ子です。周囲からのレッテルほどは甘やかされていなかったと、幼少期を振り返りますが、基本的に全ての親は表の顔とは裏腹に、我が子には甘いものだと職業柄実感しております。でもそれは決して悪いことではないということも、お伝えしたい今日この頃です。「目の中に入れても痛くない」と云うことわざがあるように、子どもや孫は愛おしいものです。しっかりと愛情をもって甘やかして育てて下さい。しかしその中に甘やかしてはいけないことがあることも理解して甘やかして下さい。甘やかしてはいけないことまで、甘やかしてしまうと子どもの心に芯が育ちません。抽象的な表現になりますが、芯が育っていないと何だかフニャフニャな空気が子どもを覆います。乳児期のそれは時に可愛らしくも見えますが、幼児期から学生、そして社会人へと成長するにつれてのそれは本人を苦しめる要因になることもあります。しっかりと甘やかすなか、決して甘やかしてはいけないことは何かを御一考頂き、それを踏まえた後は今以上に甘やかして頂きたいと思います。あま~~~い(^O^)
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受け継ぐ姿
2024-10-11
 「お母さんによく似てるね~!お父さんにそっくりだね~!」親子が頻繁に耳にするフレーズです。子どもの容姿が親に似ているのは遺伝子的に当然なのですが、話し方、気性、テンポまでもが幼き頃から日に日に親に似ていきます。子どもは親を模倣しながら成長しますのでそれも納得です。しかし就学前の子どもが意識的に真似れる領域を超えて親子は似ていきます。なぜ?・・・その最たる理由は「子どもたちの脳には、保護者の方のあらゆるデータがしっかりとインプットされ、一人の人格として確立され、存在している」からではないでしょうか。ではその証明となるもの、それは・・・夜にみる「夢」です。子どもたちはしっかりと夢を見ます。当然です。その夢の中でも子どもたちはしっかりと保護者の方と関わり、会話を楽しんでいます・・・?しかも内容は覚醒時(日中)のリピートではなく、フレッシュでオリジナル、まったく新しいものです・・・?!そうなんです。子どもたちは、脳という超高性能コンピューターで、場所、人、会話を合成処理し、オリジナルなコミュニケーションを夜な夜な作り上げているのです。これは驚異的な能力です。そしてこの能力は覚醒時に関わる頻度、質に比例して、精密、精細にその人物像を夢に反映できるという特徴も有しています。子どもたちの潜在意識には、保護者の皆様が、一人の人格としてしっかり存在し、夢のなかで自由に活動している(させられている)のです。夢とは、初めから終わりまで、個人が作り上げるフィクションです。しかし、そのなかの登場人物は細部に至るまで現実そのもので、お母さんが登場すれば、お母さんが話しそうな内容をお母さんの口調とテンポ、しぐさでそのフィクションは構成されます。お母さんの姿で、話し方、しぐさはお父さんというようないい加減な作りではありません。日常生活で得たあらゆる情報を自分なりに処理し、夢のなかでも保護者の方と新鮮な関わりをする・・親としてそれはスルーしてほしい姿かもしれません、また正確な処理ではないかもしれません。しかしこれが「親から子への魂の伝達」、良くも悪くも親子が似てくる理由だと思います。もう少し想像を膨らませると、夢のなかに人気タレント、又は芸能人が現れ、会話し「この人はこんな話し方するんだ・・?」と思っていたら目が覚める、という経験も大人になるまでには一度はあると思われます。これは登場人物の人格が推測の域を超えておらず、「何か変だな~?」と脳が混乱し目覚めるのではないでしょうか。話を子どもに戻しますと、今晩、子どもたちの夢にyoutubeの動画や何か怖~いもの、またゲームやそのキャラクターが出てくるのであれば、今日はそういう日だったのです。しかし、その夢は、像と人格が一致しておらず、情報量も少なく、一方的な関わりから構成されているので、上記タレントの夢と同様です。たまにみるこのような夢は楽しいものですが、これが日常的に長期間継続されるようであれば子どもたちの脳は、現実に関わりを持ったリアルとは異なる虚像に侵食され、親から受け継ぐはずの姿、魂の成長、人格形成は迷走をはじめます。昨晩、あなたの子どもはどんな夢を見たのでしょう。きっと子どもたちは夢の中でも、あなたと出会えることを楽しみに♪今晩も安心のなか眠りにつくことでしょう。子どもはあなたに似てますか?それとも・・・。
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感じる心
2024-07-08
 幼児期を学びという視点からみる場合、感じる心はその核となる重要なポイントです。見て感じる、聞いて感じる、触って感じる、空気を感じる。人は感じて行動します、発言します。逆説すると人は感じなければ行動出来ません、発言出来ません。この「感じる」が、最も躍動するのは、ご想像の通り乳幼児期に他なりません。あなたの目の前にいる子どもたちは、今、何を感じていますか、また何を感じていると想像できますか。学んでいるかな?ではなく、感じているかな?です。乳幼児期の学びは知識からではなく、感じる心から生まれるものです。子どもたちは感じています。あなたの行動を、あなたの言動を、あなたの空気を、そしてあなたの存在を。見せてあげてください、聞かせてあげてください、感じさせてあげてください。子どもたちは常にあなたから、そして世界から何かを感じようと目を光らせ、耳を澄まして、成長の時をうかがっているのです。「感じる」はビッグイベントです。親子で共に喜び、共に笑い、感動を共有しながら、子どもとの学びをお勧めください。
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勇者よ
2024-03-27
 世の中、基準(標準)だらけです。ちなみに基準とは「ものごとの基礎となる標準。比較して考えるためのよりどころ」といった感じです。しかし基準は決して不変的なものではありません。もちろん、変わらないもの、変えてはならないものも沢山存在しますが、変えることで進歩すること、未来へ繋がることも多く、その変化に消極的になり過ぎると大きな損失を生むこともあります。ではその基準、どのように変えていくのでしょう?実はこれ、変えようとして変わるものではありません。今の基準を上回る何かが出現すればそれは自然と変わるものなのです。その出現に必要なのはズバリ!経験です。見て・聞いて・触って・感じて、これらは生後すぐにスタートします。お家のなかでは絵本や積み木、ブロック、外では滑り台、ブランコ、砂場、いろんな場所でいろんな物を持って、いろんなことを感じながら、いろんな経験が待っています。そしてゲーム的ではありますが、冒険を重ね、経験値(EXP)を増やしていきます。経験値は冒険の頻度、質に比例してグングン上がり、柔軟な発想と創造力、楽しむ姿勢も自然と身に付きます。そしてあるとき基準を変える何かが出現するのです。もうお解りでしょうが、これまでの話し、世の中の基準、固定概念をぶっ壊せという激しい話ではありません。ここで言う基準とは自分の中にある基準「自分基準」のことです。人はみんな自分の中に基準を持ち、そのなかで考え、行動しているものです。しかしその基準は必ずしも不変ではなく、それを塗り替えることこそ学びであり成長なのです。人間は生後からの多岐にわたる経験をベースとし、その時々で最適な基準を自ら生み出せるよう、そして成長できるようあらかじめプログラムされています。これからの世の中は多種多様、千差万別、十人十色が主流となりそうですが、どのような環境に置かれても「経験をベースとした成長」というこちらの姿勢は不変です。これからも子どもたちは次々と難局を乗り越え、自分の基準を新たにすることでしょう。
保護者の皆様、勇者の冒険はまだ始まったばかりです。心配、不安、往々にあると思われますがその力、その成長を信じ、疲弊した時は温かく癒やしてあげて下さい。それが勇者を支える親のポジションです。近い未来、勇者は成長を遂げ、逞しい姿をきっと私たちに見せてくれることでしょう。いざゆかん!今日も明日も明後日もレベルアップの音が至る所で鳴り響きます。定番RPGの擬音語で締めさせて頂きます。♪テレレレッテッテッテー♪
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